万葉集に親しむ

2014年06月22日

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「 安治佐為(あぢさゐ)の
  八重咲くごとく 弥(や)つ代にを
  いませ我が背子
  見つつ偲ばむ 」
     (20-4448)(橘諸兄(たちばなのもろえ))」

( あじさいが八重に色どりを変え新しく咲くように、
  いつまでも健やかでいてください、あなた
  この花を見るたびに私はあなたをお偲びいたします )



あじさいは万葉の時代からあった植物です

私たちが現在使っている「紫陽花」という漢字は
どうやら白居易が別の花を呼んだのが誤って
使われるようになったようです

今日は久しぶりに朝からしっとりと梅雨らしい
雨が降っています

庭のあじさいを室内にお招きして
今日は万葉人も眺めたあじさいとともに
雨読の一日とします


2014年04月12日

a4034999.jpg「 我が盛りいたく降(くた)ちぬ雲に飛ぶ薬食(は)むともまた変若(をち)めやも 」
          (5-847)(大伴家持)
( 私の人生の盛りの時は過ぎてしまい下り坂になってしまった 雲の上まで飛べる薬を飲んでも若返ることなど出来ようか )

「 雲に飛ぶ薬食むよは都見ばいやしき我(あ)が身また変若(をち)ぬべし 」
          (5-848)(大伴家持)
( 雲の上まで飛べる薬を飲むより都を見たい そうすればみっともない私の身体も若返るに違いない )


iPS細胞やSTAP細胞が万能細胞だ夢の細胞だと現在(いま)大流行りでもてはやされています。それに比べ古代万葉の人々は雲に飛ぶ薬などないものだとちゃんとわきまえていたように思えます。