季節の花々
2014年11月09日
「 髪は烏の濡れ羽色
三国一の富士額
眉は三夜の三日月眉毛
鼻筋通って
目元ぱっちり
口元純情でおちょぼ口 」
毎月出かける落語会の帰り道に
会場近くにある公園を少しばかり
散歩するのが私の楽しみのひとつです
今回は紅(黄)葉した
南京櫨(ナンキンハゼ)
を見てあまりの美しさにしばし唖然として
しまいました
案内板には
「 櫨の木(ハゼノキ)の代わりに
蝋(ろう)をとる材料として使われる 」
と説明書きがありましたが蝋など取れずとも
眺めているだけで惚れ惚れする紅葉です
今回の落語会のトリで入船亭扇好が
かけていた演題が「お若伊之助」
この噺に登場してくる評判の美人娘
お若の美しさもさることながら
紅葉樹のなかではナンキンハゼも
なかなかの美人ではなかろうかと
私は確信してしまいました!
今日も一日
みんな
笑って
微笑んで
追記:
「お若伊之助」は恋仲になった
若いお若と伊之助が仲を割かれ
まんまと伊之助に化けた狸がお若に。。。
という展開の噺です
2014年11月07日
「 あるほどの
菊抛げ入れよ
棺の中 」
(夏目漱石)
ご近所の花咲爺は一年中季節の花を
育てては咲かせるのに大忙し、大楽しです
用があるときにもないときも花咲爺の庭を
ひと目眺めるために遠回りしてでも年中
私は立ち寄ることにしてます
今はもちろん菊満開の季節です
私にはどうしたらこんなに見事な花を
咲かせることが出来るのか皆目分かりませんが
とてつもなく大変だろうことだけは分かります
自分に出来ないことをいとも容易く
やり遂げる人には素直に心より脱帽です
花咲爺さん、
いつもありがとうございます!
今日も一日
みんな
笑って
微笑んで
追記:
冒頭の俳句は、短歌を愛した大塚楠緒子という
女性へ病中の漱石が捧げた追悼吟です
漱石の慟哭する様が見えます
2014年11月05日
「 色は色ではないのではないか。。。
色はいのちであるということを
藍は教えてくれる。。。
一瞬だけ緑色になって藍色になる、
これは自然が見せてくれる。。。
藍の葉を発酵させて作った藍の元、
これは新月に藍をたててやると
藍はとても機嫌がいい
藍は(そのものが)小さな宇宙であり、
月(の変化)との関係が深い。。。」
文化の日の特別番組で
染織家志村ふくみさんを特集した
『京の“いろ”ごよみ~染織家・志村ふくみの四季~』
が放映されているのをたまたま見つけ
最初から最後まで見入ってしまいました
舞台は、
娘(志村洋子)さんも含めたお弟子さんと
とともに居を構える狭路嵯峨野の工房
創作活動は、
一年の四季の移り変わりに寄り添って
自然に対する畏敬の念を忘れずゆっくりと
たっぷりと人手をかけ時間をかけて
草木からの“いのち”の贈り物である色を
丁寧に糸に染めあげ布を織り着物を仕立てる
すべての工程で繰り広げられていきます
ひとつひとつの作業は草木に耳を傾け
辛抱強い作業の連続なのですが
そのすべてなんとも美しく懐かしいのです
カラスエンドウをがむしゃらに摘む志村さん、
“泥の中から生まれてきた蓮糸”を
お坊さんからもらった茜で染める志村さん
開花前の桜の枝からの桜の精で染める志村さん
14、5歳の処女のためだけにあるという
天の恵みの紅を染める志村さん。。。
美しい映像とナレーションによる染色の物語は
“色がいのちである”
と語る志村さんの言葉を見事に
示してくれていました
今日も一日
みんな
笑って
微笑んで
色はいのちであるということを
藍は教えてくれる。。。
一瞬だけ緑色になって藍色になる、
これは自然が見せてくれる。。。
藍の葉を発酵させて作った藍の元、
これは新月に藍をたててやると
藍はとても機嫌がいい
藍は(そのものが)小さな宇宙であり、
月(の変化)との関係が深い。。。」
文化の日の特別番組で
染織家志村ふくみさんを特集した
『京の“いろ”ごよみ~染織家・志村ふくみの四季~』
が放映されているのをたまたま見つけ
最初から最後まで見入ってしまいました
舞台は、
娘(志村洋子)さんも含めたお弟子さんと
とともに居を構える狭路嵯峨野の工房
創作活動は、
一年の四季の移り変わりに寄り添って
自然に対する畏敬の念を忘れずゆっくりと
たっぷりと人手をかけ時間をかけて
草木からの“いのち”の贈り物である色を
丁寧に糸に染めあげ布を織り着物を仕立てる
すべての工程で繰り広げられていきます
ひとつひとつの作業は草木に耳を傾け
辛抱強い作業の連続なのですが
そのすべてなんとも美しく懐かしいのです
カラスエンドウをがむしゃらに摘む志村さん、
“泥の中から生まれてきた蓮糸”を
お坊さんからもらった茜で染める志村さん
開花前の桜の枝からの桜の精で染める志村さん
14、5歳の処女のためだけにあるという
天の恵みの紅を染める志村さん。。。
美しい映像とナレーションによる染色の物語は
“色がいのちである”
と語る志村さんの言葉を見事に
示してくれていました
今日も一日
みんな
笑って
微笑んで
2014年11月02日
英語の「謙虚(humility)」という言葉は
ラテン語の「土(humilis)」という言葉から
きた言葉だということをつい最近知りました
((humus土地+lis地面近くの))
慣れない英語やラテン語まで引用したのは
ここには深い意味があると思ったからです
そういえば土はいつ何時と誰よりも下にあり
踏まれても踏まれても何ひとつ不平を言わず
私たちすべてを常に支え続けています
しかも太陽と水とともに土は草木を育み
私たちに豊かな恵みを授けてくれます
そして何ひとつ見返りの要求もしません
私たちは謙虚な土に何度敬意を表しても
過ぎることはないはずですが、忘れています
ここまで書いてきて下座業に徹して半生を
送った西田天香の偉業も思い出しました
明日、文化の日を迎えるに当たって
いつも忘れがちになる謙虚な姿勢を
私も自ら実践しなければと戒めます
今日も一日
みんな
笑って
微笑んで
追記:
メブラーナ「七つの教え」のなかに
たまたま謙虚さが土に喩えられて出てきます
他の六つも傾聴したい教えばかりです
(1)恵みと助けは流れのように与えよ
(2)情けと哀れみは太陽のように与えよ
(3)他人の欠点は夜のように隠せ
(4)怒りと苛立ちは死のようにあれ
(5)謙遜と謙虚さは土のようにあれ
(6)寛容は海のようにあれ
(7)あるがままに見せるか、見かけのように振舞え
ラテン語の「土(humilis)」という言葉から
きた言葉だということをつい最近知りました
((humus土地+lis地面近くの))
慣れない英語やラテン語まで引用したのは
ここには深い意味があると思ったからです
そういえば土はいつ何時と誰よりも下にあり
踏まれても踏まれても何ひとつ不平を言わず
私たちすべてを常に支え続けています
しかも太陽と水とともに土は草木を育み
私たちに豊かな恵みを授けてくれます
そして何ひとつ見返りの要求もしません
私たちは謙虚な土に何度敬意を表しても
過ぎることはないはずですが、忘れています
ここまで書いてきて下座業に徹して半生を
送った西田天香の偉業も思い出しました
明日、文化の日を迎えるに当たって
いつも忘れがちになる謙虚な姿勢を
私も自ら実践しなければと戒めます
今日も一日
みんな
笑って
微笑んで
追記:
メブラーナ「七つの教え」のなかに
たまたま謙虚さが土に喩えられて出てきます
他の六つも傾聴したい教えばかりです
(1)恵みと助けは流れのように与えよ
(2)情けと哀れみは太陽のように与えよ
(3)他人の欠点は夜のように隠せ
(4)怒りと苛立ちは死のようにあれ
(5)謙遜と謙虚さは土のようにあれ
(6)寛容は海のようにあれ
(7)あるがままに見せるか、見かけのように振舞え
2014年10月25日
恋人同士なのでしょうか若い男女が
何やら深刻な話をしています
二人のこんなやりとりが聞こえてきました
「 私って、可愛くないよね~」
「 そんなことないよ! 」
「 ウソ、私、ちっとも可愛くないもん 」
「 お前、すごっく可愛いよ!」
「 ウソウソウソ、そんなのウソよ! 」
「 ウソじゃないさ、もしも世界中の人が
お前が可愛くないと思っていても
俺はお前が一番可愛いと思ってるよ! 」
「 私、その逆がいい~」
若手落語家が枕に使っていた小咄を
私なりに少し編集し直してみました
地味な内容ですが私は気に入りました
男性の思いやりと優しさが一方にあり、
他方には女性の本音と身勝手さがあって、
この微妙なズレがなんとも言えない
可笑しさを醸し出しています
若手落語家は本題では芥川竜之介の小説
『藪の中』
を現代風に姉弟の噺に書き換えて演じていました
姉と姉婿の家を訪問する弟と弟の恋人が
互いに交わす会話から構成されているのですが
ひとつひとつの会話、あるいは出来事が
どう意図されていたのか、それが
どのようにして正反対に曲解されて
不信不満をつのらせていくのかが
織り込まれていてシュールな笑いを
作り上げています
場面の切り替えや仕草など演じ方に
改善すべき点は沢山ありますが
若手には新作にもどんどん挑戦して
欲しいものです
今日も一日
みんな
笑って
微笑んで
何やら深刻な話をしています
二人のこんなやりとりが聞こえてきました
「 私って、可愛くないよね~」
「 そんなことないよ! 」
「 ウソ、私、ちっとも可愛くないもん 」
「 お前、すごっく可愛いよ!」
「 ウソウソウソ、そんなのウソよ! 」
「 ウソじゃないさ、もしも世界中の人が
お前が可愛くないと思っていても
俺はお前が一番可愛いと思ってるよ! 」
「 私、その逆がいい~」
若手落語家が枕に使っていた小咄を
私なりに少し編集し直してみました
地味な内容ですが私は気に入りました
男性の思いやりと優しさが一方にあり、
他方には女性の本音と身勝手さがあって、
この微妙なズレがなんとも言えない
可笑しさを醸し出しています
若手落語家は本題では芥川竜之介の小説
『藪の中』
を現代風に姉弟の噺に書き換えて演じていました
姉と姉婿の家を訪問する弟と弟の恋人が
互いに交わす会話から構成されているのですが
ひとつひとつの会話、あるいは出来事が
どう意図されていたのか、それが
どのようにして正反対に曲解されて
不信不満をつのらせていくのかが
織り込まれていてシュールな笑いを
作り上げています
場面の切り替えや仕草など演じ方に
改善すべき点は沢山ありますが
若手には新作にもどんどん挑戦して
欲しいものです
今日も一日
みんな
笑って
微笑んで