2014年12月18日

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多摩美術大学美術館で開催中の

「祈りの道へ (四国遍路と土佐のほとけ)」
(四国霊場開創1200年記念)

を観てきました

最初から下世話な話で恐縮ですが
まず入場料が300円ととんでもなく安い
展示されている仏像はすべて目の前で
鑑賞でき、展示物も素晴らしいものばかり
これには驚き感心し主催者の方々には
まず最初にお礼を申し上げます

さて、
奈良、京都にある仏像とは違っていて
展示されていた仏像は土佐の人びとの
暮らしのそばにあったものだという印象を
強く覚えました

印象に残った仏像を二三あげてみると、
例えば、

ばらばらの状態で見つかり修復された
「木造大日如来坐像」(笹野大日堂)
の美しさには圧倒されてしまいます

明治時代に入り廃仏毀釈で壊されながら
棄てられるのをなんとかまぬがれた
「如来形坐像」(歓喜寺)
にも慈愛溢れる存在感があります
(壊れているいないは仏像の価値と関係なし)

腐食が進み手足も判別できないながら
丸くてツルツル輝いている
「金林寺古仏群」
には当時の人々の篤い願いや祈りを
今も彷彿させるものがあります

今回の展示会の主催者の一人である
青木淳氏の講演も興味深く聴きました

33歳のとき(今から15年前)に高知に
就職した仏像の腹蔵物研究家だった
青木さんは土佐で出会った仏像に
ショックを受け感動し、研究に没頭して
いくようになったそうです

二時間の講演の間も穏やかながら
秘められた熱い情熱が優しい人柄と
ユーモアとともに伝わってきました

地元の同年代の副住職らと毎晩のように
酒を飲み、語りあかし、修業ならぬ酒行に
専念した末に実現した展示会のおかげで
私も土佐の仏様と四国遍路が一気に
身近な存在となりました

ありがとうございます

合掌


今日も一日
みんな
笑って
微笑んで

追記:

講演で印象に残った青木さんの言葉です

「 (文化)様式は人が(現地)に来て
  感銘して、それから繋がっていく。
  モノしか見ないのでは(文化様式)は
  決して伝わるものではない。
  「人から人にこそ文化は伝わるんだ」
  と私は土佐に学んだ気がします。 」


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