2012年06月01日

c8aac614.jpg「 耕して天に至る
  乾いた土
  限られた土地 」


裸の島の遠景を背景に映し出されるこのことばから映画『裸の島』は始まります

台詞のまったくないこの映画を観たときの衝撃はいまもはっきりと覚えています

狭く険しく乾いて何もない裸の島で、ただひたすらに水を運び、黙々とやせた畑を耕して暮らす四人家族の物語

一日の重労働を終え、家族の最後にドラム缶の風呂に入り、ほんの少しだけひと息をついて微笑む音羽信子、背景には満天の星空が広がっていました

何もかもがある生活を楽しんでいるつもりの私たちは、彼ら同様に本当に“生きて”いるだろうか?自らの手足を使い耕し天に至ろうと汗しているだろうか?(「 私はいい生活はしてきたけれども、本当に生きたことがない」と語った末期癌患者のことばを何故かふと思い出します )


監督の作品から多くを学びましたあらためていくつかの映画を観たいと思います

新藤兼人監督のご冥福を心よりお祈りします




今日も一日
みんな
笑って
微笑んで


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