2010年12月25日
はじめて
歩いた街の
はじめて
通った路地で
おさない
小学生の男の子に
『こんにちは』
と
声をかけられた
大きすぎる声でなく
小さすぎる声でもない
それでいて明るくて
でも少しの
恥じらいが
感じられる
『こんにちは』
わたしは
あいさつの仕方を
あらためて
その小学生に
学んだ
むかし
山登りをして
帰り道
村の田んぼの
脇道を
歩いていたとき
腰の曲がった
地元の
おばあちゃんに
『お帰りなさい』
と
声をかけられた
家族でも
ご近所でもない
見知らずの人間に
家族のひとりのように
ご近所さんのように
疲れを一気に
吹き飛ばしてくれる
おだやかな
『お帰りなさい』
わたしは
あいさつのもつ
途方もない力に
気づかされた
わたしは
そのときから
ずっと
勝手に「あいさつし隊」
の隊員になっています
今日も一日
みんな
笑って
微笑んで